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ここがポイント

「血液サラサラが健康にいい」というのは、いつ誰が言い始めたことなのでしょうか。

よく「ドロドロ血液は危険」といった言い方もされていますが、「サラサラ」も「ドロドロ」も医学用語ではありません。単なる形容語です。しかも、体を流れる血液の状態を示す形容として、ふさわしい言葉ではありません。

 

血液の流れが「サラサラ」、「ドロドロ」というのは、いつ誰が言い始めたことなのでしょうか。きっと、血液の「粘性」を表現したいがために、こうした形容語が使われるようになったのでしょう。たしかに、体内を流れる血液の粘性が高くなれば、動脈硬化などのリスクが高くなります。しかし、油のように、「ドロドロ」として流れにくくなった血液など実際には存在しないのです。

また、血液の粘性は、低ければ低いほどいいかというと、そういうわけでもありません。血液粘性がもっとも「サラサラ」としてくるのは、貧血や低たんぱく血症がある場合です。「サラサラ血液」という言葉は、むしろ病的な血液の状態を示すのにふさわしい表現と言っていいのです。

それに、血液がスムーズに流れるかどうかは、血液の粘性だけではなく血圧によっても変化します。たとえ血液の粘性が低くても、心臓の血液を押し出す力が弱ければ、低血圧になって血液の流れが悪くなるわけです。いろいろな要因が関係してくる血液の健康を、「サラサラ」「ドロドロ」といったひと言で表してしまうこと自体に大きな無理があるのです。

ですから、「血液サラサラ=血液がよどみなくスムーズに流れていく健康的な状態」というわけではないのです。

なお、記憶されている方も多いと思いますが、以前はテレビの健康番組などで「血液サラサラ度チェック」がよく行われていました。これは採取した血液を、血液の流れ具合を測る機械に入れ、狭いところを流れていく血液の様子を拡大モニターで観察して測定するというものです。測定では、赤血球の変形や重なり具合がポイントに挙げられていました。しかし、この判定業者が後にインチキだったということで摘発されています。

それもそのはず。そもそも「機械のモニター画像と同じように、自分の体内で血液が流れている」なんてことはあり得ません。血液は空気に触れるとすぐに固まりはじめますから、採取血液で体内の状況を再現するのは不可能といっていいのです。

それに赤血球の重なり変形によって血流が悪くなるかどうかは、医学的に証明されていないことですし、血液がスムーズに流れるには、白血球や血小板などの他の血液成分も関与しています。

このように、血液の粘性や流れ具合を測るのは極めて難しい作業なのです。「あなたの血液サラサラ度をチェックします」というのは、まず信用しないほうが賢明です。さらに「血液をサラサラにする食べ物」も根拠なし。医学的にはそうした食べ物は確認されていませんので、注意しましょう。


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