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research digitalizing

製薬企業の研究開発におけるデジタル化への投資が活発になっています。投資対象は基礎研究から、治験さらに薬事申請の全般に及びます。基礎研究では、膨大なデータからモデリング、シミュレーションの実施、さらにはAIを活用して創薬の効率化を図り、治験においては、デバイスを活用したリモートでの治験データ収集や、計画策定・解析・申請業務の効率化が図られています。

 

基礎研究でのデジタル技術の応用

オミックス情報などのビッグデータ解析により創薬の標的探索を効率化する取り組みでは、2018年4月にNIBIOHN, 理研、JSTによる肺がんとIPF治療のための創薬標的探索を目的としたAI開発プロジェクトが発足しました。

また、化合物の探索や設計においても、創薬ターゲットと化合物の結合データの機械学習を活用した化合物の設計が可能となります。田辺三菱は基礎研究・治験の両分野においてAIを活用する計画を発表しました。AIによる細胞画像の解析が始まっています。また、エーザイでは細胞が新薬候補物質に反応した画像をAIが分析、有望な化合物を選出することで、目視時よりプロセスを大幅に効率化させました。

さらに、タンパク質異常をAIで分析し、ドラッグリポジショニングを効率的に行うシステムを九州工業大学が開発、製薬企業との具体的な研究を進めています。また、既存の医薬品化合物データに関する機械学習成果を活用して、候補化合物の安全性や薬効の予測を効率化する試みも期待されています。

 

治験におけるデジタル技術の応用

治験におけるデジタル技術の応用では、ウェアラブル機器等を活用した遠隔での患者データの収集があります。本領域では欧米の取り組みが先行していますが、国内でも、慶應義塾大学病院がペンドレット症候群に関する医師主導試験において、患者に検査機器やタブレット端末を貸与、検査結果を自宅からデータセンターに送信する仕組みを発表するなどの動きがみられました。

治験計画策定や、その後の解析薬事申請業務にもデジタル活用による効率化が進んでいます。田辺三菱は、2019年中のAIによる治験デザインの実現を目指し日立製作所と治験の効率化プロジェクトを推進していますが、すでに治験計画に必要な情報収集の時間を、70%短縮する技術を開発しました。また、アストラゼネカはAIを活用した自動翻訳システムを開発、薬事申請業務での効率化を図ります。2018年6月、ロシュはシカゴのがん学会において、AIでバーチャルなどの治験対照群を作り出し、効率的にデータ収集することで治験期間を大幅削減したと発表し、注目を集めました。

 

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