エイペックスブログ

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コロナ禍による医療機関の訪問規制に伴いMR不要論も出た2020年。MRは本当に不要な職種なのか?将来性のある領域は?MRのキャリアパスにはどんなものがあるのか?エイペックスの製薬チームのベテランマネージャーでセールスポジションを担当する谷口王一さんに、MRの転職市場の現状と今後の展望について話を聞きました。

 

Q.MRを取り巻く環境について  実際に求人は減っていますか?

A.国内のMR数は2013年度をピークに年々減少していますが、実際のMRの求人件数もここ5年ほど減少傾向です。新卒採用についても、MR認定センターに登録している200社のうち今春新卒採用を行ったのは85社に留まっており(全体の42.5%:2014年は114社、全体の55.6%)、こうしたニュースがメディアで取り上げられる影響もあって製薬企業への入社希望者数は近年減少しています。

では、なぜ製薬メーカーはMR数を抑制するのか?最も大きな要因は薬価改定だと考えられます。2021年から政府による薬価改定が毎年ありますが、厳しくなる経営状況を見据え企業は固定費=人件費抑制のためにMRの募集を限定せざるを得ない状況です。更にこの状況に、新型コロナウイルスによる影響が拍車を掛けた印象があります。

 

Q.求人は今後も減少し続けるのでしょうか?MRに将来性はあると思いますか?

A.日本のMR比率は欧米に比べ多かったという要因もあり、適正数に達するまで今後数年は減少傾向が続くと考えています。ブロックバスターのリリースも以前ほど頻繁ではありません。早期退職制度を実施した大手メーカーなども含め、経費削減のため正社員MRからコントラクトMRに切り替える企業も増加しています。そのため近年CSOの存在感が増しており、求人件数も増加傾向です。多岐に渡る領域が経験できる、パイプラインに左右されず一定のエリアで勤務できるなどCSOならではの魅力もありますので、今後のキャリアの選択肢の一つに入れても良いかと思います。

ただ、MR不要論も聞かれる中将来に不安を感じている方も多くいらっしゃると思いますが、MRという職種自体がなくなることは日本のマーケットの特性上ないと思います。もちろん、医師がネットで検索できること以上の情報提供や、医療現場のニーズを汲み取れる能力がますますMRに求められる時代になっていることは間違いありません。

 

Q.求人が多い企業は?今後も成長が見込まれる領域は何ですか?

A.オンコロジー、中枢神経系、免疫系疾患などの希少疾患領域、遺伝子治療、生物学的製剤、再生医療の分野などでの求人は相変わらず活況です。大手はもちろんですが、海外からの新規参入のバイオベンチャーも大変多く、今後も成長が見込まれる領域と言えます。医薬品業界の流れは個別化治療に向かっていますので、担当できれば今後のキャリアにとって大変有利となるでしょう。但し一度の募集人数は少なく、求人が出ると多くの方から応募があり激戦であることは間違いありません。目の前の患者さんを救うという使命ややりがいはもちろん、ニッチなマーケットであり、一度担当できれば10年以上安泰という昨今の安定を求める求職者の傾向に合致するためでしょう。ただ、エイペックスでもこの分野は途切れなく新規求人が出ていますので、諦めずどんどんチャレンジしていただきたいです。

 

Q.プライマリー領域でも求人はありますか?

A.わずかにありますが、メーカー側の計画的な求人募集というよりは、突発的に空いたポジションを埋めたいという要望が多いです。CSOなど外部委託するケースも増えており、プライマリーMRの方が一番危機感を持って転職活動をされている印象です。ただ、プライマリー経験のみでも応募可能な案件も出ていますので、日頃からエージェントを通して情報収集を行い、いつでもすぐに面接が受けられるような準備を怠らないことが大切です。

 

Q.MRのキャリアパスにはどのようなものがありますか?

A.1つ目は、MRとしての道を極めるキャリアパスです。転職せずに、営業所長クラス、その先のエリアマネージャー、支店長クラスを目指すキャリアで、管理職としてここまで到達できれば年収も相応に満足のいくものになるでしょう。もしくは、転職してMRとしてのキャリアアップを目指す道です。前述の希少疾患領域への転職が大変人気ですが、類似した領域やオンコロジー経験がある方が有利であり、その他にも広域領域の経験や、大学病院、基幹病院の経験が問われます。逆にこのような経験があれば、40代以上の方でも十分理想の転職は実現可能です。

 

2つ目は、MRからのキャリアチェンジを製薬業界内で目指す道です。最も現実的なのは、在籍する企業の社内公募で本社勤務を目指す方法です。企業によりますが、MRやリーダー育成のためのトレーナーやマーケティングのポジションを目指す方が多いです。MSLは企業によっては現場寄りのこともありますので、メディカルの知識に自信があれば特にMSLは目指せるポジションでしょう。

では、MRの経験だけで他メーカーのMR以外の職種にチャレンジできるのでしょうか?可能性はゼロではありませんが、転職市場では即戦力が求められますので書類選考から通らないことのほうが多いです。ポテンシャルで採用される場合でも年収ダウンがほとんどですので、実現可能かはやる気次第といったところです。

 

最後は、MRの経験を活かして他業種にチャレンジする道です。MRで培った「営業」と「メディカル」の知識を活かせる場として、医療機器企業へ転職する方もおります。その他、エイペックスのような医療業界専門のキャリアコンサルタントや経営コンサルタント、医薬品専門の広告代理店やマーケティングリサーチ会社、医療系のネット企業などでは、前職がMRであることが重宝されたりします。この転職には自身の方向性と合致していること、情熱を向けられる分野であることなどが鍵になるでしょう。

 

Q.最後に、MRの転職で最も重要なことは何ですか?

A.コロナ禍と相まってデジタルマーケティングが活況ですが、今後はオンラインと日本従来の営業スタイルのハイブリット型が定着することが予想されます。そのため、優秀なMR以外が淘汰されていく傾向は今後もしばらく続くでしょう。幅広い領域経験や疾患知識、優秀な営業成績、マネジメント経験、デジタルへの耐性、外資であれば英語力など、求められる能力に応じて自身のスキルを高めていくこと、可能性を広げていく努力は今後も必要です。しかし、理想の転職にはそれと並行して情報収集が最も重要です。例えば、日本進出間もないバイオベンチャーは将来性もあり求人数が多いとお話ししましたが、営業部隊編成の話はエイペックスのようなグローバルエージェンシーにはじめに持ち込まれることが多く、転職パートナー選びも成功の要因の一つになります。

マイナス面を差し引いても、高い年収と充実した福利厚生で魅力的な職種であり続けるMR。MRとしてのキャリアを極めるのか、他の職種や業界にチャレンジするのか、どちらも間違いではありません。是非、情報収集とともに自身の可能性を探りながら将来のキャリアパスを考えてみてください。

 

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