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近年、医薬品の臨床研究段階での不正が相次いだことを受け、医薬界の信頼回復のため国内で臨床研究法が制定されました。今後の承認申請に影響があるのか、動向が気になるところです。

臨床研究法の制定

臨床研究法は、近年臨床研究に関する不正が相次いで発覚したことを受け、不正を防ぎ医薬界の信頼を回復するために制定されました。

同法では、未承認・適応外の医薬品などに関する臨床研究と、製薬企業などが資金を提供する臨床研究を「特定臨床研究」と位置付け、研究を行う医師らにモニタリングや利益相反管理などに関する実施基準の遵守や記録の保存を義務化しました。研究を行う際は、全国各地にある「認定臨床研究審査委員会」に実施計画を提出し、審査を受けることが必要となります。

一方、製薬企業などに対しては、臨床研究に関する資金提供について契約締結や公表を義務付けました。公表対象は、研究資金等、寄付金、原稿執筆・講演・その他の義務に対する報酬で、2018年10月以降に始まる企業の事業年度分から公表の対象とされています。公表する期間は公表後5年間です。契約締結や公表が行われない場合に厚生労働省が勧告したり、従わない場合に公表できる規定のほか、罰則もあります。業界内には「かなり厳しくなっているのは間違いないが、今まで多くの企業がすでにやっていたことであり、法が施行されてもあまり活動としては変わらない」いった見方もあります。

 

早期臨床試験や「条件付き」への活用を期待

業界の関心が高いのは、特定臨床研究の成果が薬事承認申請の資料として活用できるようになるかどうかです。同法の付帯決議には「臨床研究で得られた情報を医薬品や医療機器などの承認申請に関する資料として利活用できる仕組みについて速やかに検討する」ことが盛り込まれています。これを踏まえ、厚生労働省は、特定臨床研究の成果を医薬品などの承認申請資料として利活用できる仕組みの検討を進めています。

具体的には、GCP、ICH-GCP, 臨床研究法施行規則のうちGCPに関連する部分、の3つを照らし合わせ、それらの関連性、中身や違いを理解するところから始めています。その結果を踏まえ特定臨床研究の成果を承認申請に活用できる範囲や条件などを探ります。

 

まとめ

2018年4月に臨床研究法が施行されました。これに伴い、製薬企業などには臨床研究に関する資金提供について、契約締結や公表が義務付けられました。一方、同法に基づいて行われる「特定臨床研究」の成果を医薬品などの承認申請資料として利活用できる仕組みの検討も進められており、実現すれば医薬品開発の迅速化や効率化につながる可能性があります。

 

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