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generic business

ジェネリック事業の収益構造は、ここにきて悪化する傾向を見せ始めています。2017年4~9月期の専業3社(日医工、沢井、東和)の売上高は、前年同期比で3.1%増にとどまりました。営業利益率は13.5%で、1.0ポイント増とやや持ち直しましたが、これは前年同期に大幅減益に陥っていた東和が利益を回復させたためです。

全体として市場環境が厳しくなってきたのは事実で、数量の伸びをみると沢井のケースで1.6%増と鈍化傾向がうかがえます。いわゆる新薬系は、オーソライズド・ジェネリック(AG)を持つか否かで業績が大きく左右されています。2桁増収を果たしたのは明治HD、キョーリンHD、第一三共、持田製薬の4社ですが、明治以外はAGが寄与しました。

 


鈍化してきた数量増

全体的に数量が伸びないのは、2016年度診療報酬改定で残薬や重複投薬に対する監視が強化されたことにも要因がありそうです。薬剤に対して総量規制が進んでおり、厚生労働省の検討会や関連学会でも高齢者への薬剤投与をより慎重に行う方向が示されています。その結果、企業の利益減少も避けられず、特に新薬系は苦しい事業運営を強いられています。

2017年末に決まった薬価制度改革では、長期収載品(先発医薬品)は市場から撤退することが認められました。そうなりますとジェネリックは数量増が期待されますが、1価格帯に統一されることで競争は激しくなり、実勢価格の下落は今より激しくなります。利益率の低下に各社がどう対処するか、この1~2年で事業のあり方を再検討する必要に迫られています。

 


活発化する海外展開

こうした状況の中、専業大手は国内で収益を得られる今のうちに海外展開の足場を固めようと、企業買収や工場建設に動き始めました。日医工は米セージェントを約736億円で買収しました。米国で2019年にレミケードのバイオ後続品(BS)承認取得を目指しています。「ハーセプチン」や「リツキサン」のBSも開発予定です。

沢井も米アップシャー・スミスを1,155億円で買収しました。得意とする知財(特許)戦略を組み合わせ、米国を日本に次ぐ第2の市場に育成したい考えです。沢井は米国に設立した子会社を通じ2017年に脂質異常症治療薬「リバロ」を販売する計画を立てていましたが、特許侵害訴訟で2022年まで発売不可能となりました。アップシャー・スミスの買収はその遅れを取り戻す意味もあって、年間売上高に匹敵する投資を行いました。

 


まとめ

政府の使用促進策に乗って市場拡大を続けてきたジェネリックは、「数量シェア80%」という目標が近づくにつれ徐々にその伸び率を鈍化させてきました。医薬品使用は高齢化の進展という増加要因はあっても、残薬解消やポリファーマシー対策の強化など適正使用の動きが同時に進行しています。2020年度から薬価(価格帯)が一本化される領域もあり、価格競争の激化は必至です。

 

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