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ディスクロージャーとは企業の財務上の情報公開のことを指し制度会計と密接な関係がありますが、実務をイメージしづらい方も多いのではないでしょうか?今回はディスクロージャーの定義や業務内容、キャリアや人材の市場価値についてより実務的な面やどんな知識が役立つのかという点をメインにご紹介していきます。

 

ディスクロージャーとは?

ディスクロージャーとは、直訳すると情報開示、情報公開という意味になります。財務・会計分野では、投資家や株主の意思決定に役立つような財務上の情報公開をディスクロージャーと呼び、企業の経営成績や財政状態に関して、決算時のみならず適時開示などのタイムリーなものも含みます。

投資家や一般株主、さらにはコンサルティングファームや投資銀行、ファンドといったプロフェッショナルファームは、企業へのアドバイザリー業務や投資を検討する際に対象会社の財務や事業に関するディスクロージャーを参照します。これには有価証券報告書や四半期報告書といった決算時の財務資料のほか、統合報告書といった財務のみならず事業に関する情報も含まれた総合的なディスクロージャーの資料もあります。

したがってディスクロージャーというのは、外部のステークホルダーが投資決定等をする際の公開情報として有用でなければならず、それらに資する情報を提供するのがディスクロージャー業務の妙味です。

 

具体的な業務内容は?

ディスクロージャーに関する主な業務として、一般企業で行われるようなインベスターリレーション(IR)があります。これは企業が投資家に対して行う広報活動(IR)であるため、企業によって広報部の業務であったり、また財務状況を把握する必要があるため財務部や経理部の担当であったりします。

また、財務経理部で行うような会社法ないしは金融商品取引法に基づいて行う開示の実務もディスクロージャーに関する業務になります。

会社法では計算書類を作成し、金融商品取引法に基づいて有価証券報告書や四半期報告書等を作成しますが、その他にも東京証券取引所の開示ルール等も関わってきます。法令や規則等に基づいて行われますので、正確な知識と開示書類の種類、および何を記載すべきか等が網羅的に頭に入っている必要があります。

その意味では、公認会計士として監査実務を行ってきた方であれば、試験勉強や監査実務を通じて開示書類の種類、形式、作成のタイミング等は概ね頭に入っているはずです。後はディスクロージャーを主体的に行う側か、監査業務のように書類をチェックする側かという違いだけになります。

近年は日本の上場会社に対してアクティビストと呼ばれる物言う株主も投資しているので、それらの投資家に対してつけこまれる隙を与えないように会社の財政状態、経営成績、キャッシュフローの状況を理解し、記述するという能力も必要になってくるでしょう。

 

業務を行う際の注意点は?

ディスクロージャー業務で最も大事なことは、何といっても数字を間違えない、正確かつ信頼される仕事を行う、ということです。特に財務に関する情報は対外的に発表されるため、後から修正されるということがないように正確性を期して行わないといけません。その意味で失敗が許されないという点もありそれなりのプレッシャーもありますが、現在では会計システムも整っており、経理や財務などと連携して決算数値をしっかりとまとめることができていれば、特段問題なく仕事を進められるでしょう。

また、会社法や金融商品取引法に基づいた開示実務が一般的なので、株主総会等のスケジュールや、開示する際に必要となる書類、記載の方法等を頭に入れておかないといけません。この点で言えば、監査法人において会計監査の実務を経験している会計士の方であればそこまで違和感なく業務を進められるでしょう。加えて細かい開示のルール、例えば金融庁の企業内容開示ガイドライン、金融商品取引法等の法令、証券取引所の定める有価証券上場規定および施行規則、米国であればSEC(米国証券取引員会)へ提出するForm4なども知っていれば、同僚や上司から一目置かれる存在となるでしょう。

 

ディスクロージャー人材のキャリアと市場価値

では、ディスクロージャー業務を行う方のキャリアはどのようなものなのでしょうか?

ディスクロージャー人材は経理業務で求められる会計基準の知識のみならず、会社法や金融商品取引法といった法令の知識も必須になるため、専門性が高いキャリアを歩むことが一般的になります。

いままで監査法人でしか業務経験のなかった方でも、財務に関する専門性、外部の投資家や株主とのコミュニケーションなど、コーポレートファイナンス・コーポレートガバナンスに関する知識・経験を活かすことができる事業会社でのポジションは数多くあります。

特に大手の事業会社では外国人株主の比率もそれなりに高い会社もあるので、英語での書類作成能力や国際会計基準に関する知識も必要になります。そのため、常に基準や法令の知識をアップデートしつつ、英語力を身につけてIRやディスクロージャーの道で専門性を高めキャリアアップを目指していくのが良いでしょう。

もしくは若いうちであれば、ポテンシャル採用で証券会社のセルサイドアナリストや、日系であれば投資銀行部門での採用可能性もゼロではありません。特に2021年から2022年にかけて経済の見通しが明るくなってきたことから、金融業界での人材採用も活発化していくことが予想されています。コンサルティングファームの求人も途切れなく出ていますので、エイペックスなど転職のプロからもこまめに情報収集をして転職タイミングを見極めていきましょう。

 

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