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近年、多くの大手企業が「ダイバーシティ&インクルージョン」経営に取り組んでいるのをご存じですか?「ああ、女性活躍推進ね」と思われたら、それはほんの一部分に過ぎません。性別だけでなく、人種、年齢、LGBTQ、障がいの有無など属性に関わらず、すべての人が自分に合った働き方を選択し活躍できることを目指す経営戦略です。

コロナ禍によって、リモートワークなど多様な働き方が選択できる可能性を感じた方も多いと思いますが、それもこの経営実現には重要な要素です。なぜ今、「ダイバーシティ&インクルージョン」が関心を集めるのでしょうか?

 

そもそも、ダイバーシティって何?

ダイバーシティ(Diversity)とは、日本語で「多様性」という意味です。ビジネスでは、性別や国籍、人種、年齢、LGBTQ、障がいの有無など個々の違いを問わず、多様な人材を活用する「ダイバーシティ」経営を指す際に使われています。日本では、女性活躍や障害者雇用促進への取り組みが本格始動した2000年以降に耳にするようになりました。

なぜ企業は取り組むのか?最大の理由は、日本が直面する労働人口不足解消です。健康な男性がフルタイムで企業を支える従来のやり方では、日本社会は成り立たなくなっています。さらに、グローバル化が進み価値観が多様化した現在、さまざまな価値観やバックグラウンドを持つ人材の雇用は、企業の競争力強化のためも非常に重要な経営戦略の一つなのです。

 

ダイバーシティ&インクルージョン経営とは?

多様な視点を持つ人々を集めるため、女性や外国人などのマイノリティを積極的に採用すれば強い組織になる、というわけではありません。日本企業は長く、均一的な価値観を持った人々によって支えられてきたため、多様性に寛容であるとは言えません。

そこで、もう一歩踏み込んで必要となるのが「インクルージョン(Inclusion)(日本語で「包括」)」経営です。「ダイバーシティ」で単に様々な人材を採用、定着させるだけでなく、お互いの価値観を認め合い、各々の能力が発揮され活躍できる機会が与えられること、それが企業文化として醸成されている状態の「インクルージョン」が不可欠なのです。厚生労働省が発表している「働き方の未来2035」でもこの考え方が提唱されていますが、実現のためには多様な人材を受け入れられる制度や仕組みづくりが必要です。

そんな中、コロナ禍での自粛期間中に広がった新しい働き方が、これまでなかなか進まなかった雇用を促進する契機となるのでは、と期待が高まっています。

障害者雇用です。

 

障害者雇用はダイバーシティ&インクルージョン経営の柱のひとつ

障害者雇用促進法により、46人以上の従業員を抱えている企業は、2.2%の障害者を採用しなくてはならない規定があります。しかも、2021年には、これが2.3%に引き上げられます。

ところが、この雇用率をクリアできない企業が障害者雇用納付金を納めなければならないしくみにもかかわらず、達成している企業は該当の半分もありません。目標をクリアできないために、数年前、中央省庁で障害者雇用の水増し問題が話題になりました。記憶に残っている方もいるのではないでしょうか。

その障害者雇用。

そもそも、障害者雇用に適した設備が整っていないために採用に至らないケースや、職場の雰囲気や人間関係になじめず離職につながってしまうケースが非常に多い傾向にあります。それが、今回の新型コロナウイルスの影響で拡大したテレワークで、障害者雇用拡大への期待が高まっています。

たとえば、語学に堪能な障害者の方が、外国人を交えたWeb会議の場で同時通訳や議事録作成が担えたり、完全テレワークのコールセンターが一部企業で採用を強化し始めたため、自宅から一般社員と同等のパフォーマンスを発揮しているケースもあります。

また、企業が農業に従事する障害者と雇用契約を締結して、そこで収穫した野菜を社員食堂で提供したり、社内マルシェで販売したりして社員同士のコミュニケーションを図っている企業もあります。実際に会社に通勤しなくても、他の従業員と一体となって業務が遂行でき、かつコミュニケーションが図れるのであれば、これまで課題としてきたハードルもだいぶ低くなるのではないでしょうか。

ダイバーシティ&インクルージョンの視点から見ても、例えば新商品やサービスの開発で障害者独自の視点を活かすこともできますし、IT活用の促進など、障害者の雇用は業務の効率化や生産性の向上にもつながる可能性が大きくあります。

 

働き方の未来

障害者に限らず、外国人労働者、シニア層、子育て世代などが各々の能力と志向による働き方で社会とつながり、その働き方が企業の価値を高め、企業の成長・発展につながるダイバーシティ&インクルージョン経営。元々は差別撤廃の観点からアメリカでスタートした考え方ですが、労働人口減少に直面する日本では、今後この取り組みはさらに広がっていくでしょう。

しかし一方で、まだダイバーシティの受け入れすら果たせていない日本企業も多くあります。実現のためには、まず企業体質を大きく変えるという経営側の長期的目線と仕組み作りが必要です。多様な人材を定着させるため、在宅勤務など働き方を選択できるようにすることも有効な対策の一つです。

「一人ひとりが輝く時代へ」ー個性の違いもあれば、リモートワークや時短勤務などの働き方の違いもあり、その人それぞれの生き方が尊重される時代がやってきます。旧来の日本組織的なトップダウンの考え方から、「個」から企業の在り方を考えられる未来へ、今日本社会全体が変わっていく過渡期にあるのではないでしょうか。

 

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