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ここがポイント

変化のある複雑な運動でないと、脳の刺激には向きません。認知症を防止したいなら、外へ出て歩く習慣をつけましょう。

「指は脳の出先器官だ」と言われます。また、「指先をよく動かすことは、脳の刺激につながる」といったことも言われています。確かに、間違いではありません。

指先を複雑に動かす運動は、大脳の運動野を効果的に刺激することがわかっています。ピアノを弾いたりバイオリンを演奏したりすれば、めまぐるしく変化に富んだ指の動きをするため、脳が鍛えられるかもしれません。ただし、「指回し体操」となると、いかがなものでしょうか。

指回し体操は、左右の指同士を回し続けるだけの、わりと単純な体操です。このような単純な体操だと、はじめのうちは脳の刺激になるかもしれませんが、その効果は長続きしないでしょう。というのは、指回しをやっているうちに、脳が指の動きのパターンを「学習」してしまうのです。何度も繰り返すうちに指を効率よく動かすための回路が出来上がり、「あ、こうやってずっと回し続けていればいいのか」というふうにコツを会得してしまいます。

つまり、「慣れ」です。慣れてしまえば、無意識にやっても動かすことができるようになり、脳を刺激しなくなってきます。脳への刺激は、すぐに慣れてしまうワンパターンではダメ。ちょっとやそっとじゃ学習しきれないくらいの変化が必要なものなのです。ですから、単純な指回しで脳を刺激し続けるのは難しいでしょう。

ただし、これだけは絶対に信頼して大丈夫という脳の健康維持メソッドがあります。それは、歩くこと、すなわちウォーキングです。

たとえば、アメリカ・イリノイ大学のアーサー・クレイマー博士は、ウォーキングと脳の健康の因果関係を証明する大規模調査を行っています。この調査では、平均65歳の高齢者に週3回、1回45分ほどのウォーキングを6ヶ月続けてもらい、その前後の被験者一人ひとりの脳をMRI画像で記録しました。すると、被験者の脳前頭部の脊髄灰白質の減少が緩やかになっていることが分かったのです。この脊髄灰白質は、減少すると認知機能低下を招く要因になるとされる部分。つまり、これによってウォーキングが認知機能の維持や向上に役立つことが証明されたわけです。

また、クレイマー博士は、別の調査も報告しています。高齢者124人を集めてふたつのグループに分け、6ヶ月間それぞれ別の運動をしてもらったところ、毎週3時間のウォーキングをしたグループは、認知能力のテスト結果が大幅に向上したというのです。なかでも、計画を立案したり自分の行動を管理したりする能力の伸びが大きく、これは「意欲」や「注意」などに関する脳機能が向上したものと考えられます。

高齢者を対象とした調査でこれだけのデータが得られたのですから、「ウォーキングはボケ防止に役立つ習慣である」ことが証明されたといって差しつかえないでしょう。


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