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ここがポイント

極端な低体温は健康維持に差し障りがあるでしょうが、平均より少し低めな程度ならそう気にしなくても良い。どんなに体を温めるのがブームであろうとも、右へならえをして無理に他人に合わせる必要はないのです。

このところ「体を温めれば病気にならない」とか「体温を上げれば健康になる」とかという類の本をやたらと見かけます。こうした本の多くは、「低体温になると血行が悪くなって免疫力が低下し、生活習慣病やアレルギーなどのさまざまな病気や不調になりやすくなる。体温を上げれば、こうした病気や不調のほとんどを撃退できる」といったことを主張しているようです。なるほど、そういう面もあるにはあるでしょう。

たしかに体温が上昇すれば、内臓の働きや細胞の代謝が活発になります。白血球をはじめとした免疫細胞も体温が高いほうが活発になるので、風邪を引きにくくなったり、病気にかかりにくくなったりすることもあります。

だからといって、体温を上げさえすればすべてのことがうまくいく、と思ったら大間違いです。すべての健康の願いは体温アップによって叶えられるなどと考えるのは、とんだ早とちりだというべきでしょう。

じつは「低体温のほうが長生きできる」ことが、さまざまな研究で分かりつつあるのです。たとえば、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学が行った「ボルチモア長期縦断研究」という有名な大規模調査があります。これは、65歳以上の男性716名を25年間にわたり調査して、長生きする人にはどんな共通項があるのかを探った研究です。その結果、浮かび上がったのが次の3つ。

  1. 低体温であること
  2. DHEAというホルモンの血中濃度が高いこと
  3. 血液中のインスリン濃度が低いこと

DHEAというのは「若返りホルモン」と呼ばれる物質で、20歳ぐらいを過ぎると年齢とともに分泌量が下がってくるのですが、カロリー制限によって分泌量の減少を抑えられるとされています。また、3の結果からも、カロリー制限の大切さが伺えます。血液中の糖を分解するインスリンは、低濃度で効率よく働くのが理想的。食べすぎを控えて、カロリー摂取量を少なくしていれば、インスリン分泌量が少なく済んで効率のいい糖代謝ができるわけです。

では、1の「低体温」は、なぜ長生きにつながるのか。

低体温では代謝が低下するため、活動度が低くなります。すると少ないエネルギーで少ない熱をつくりながら、最低限の活動をすることになります。すなわち低体温の人は、摂取カロリーが少なく済み、余分なカロリーエネルギーも使わないで済む低燃費なエコ体質なのです。活動的でない分、体のエネルギー消耗(=老化)が抑えられ、そのためかえって長生きすることができるわけですね。


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