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2020年度の早期希望退職者募集が1万人を突破し、募集企業も前年度1.7倍の60社に達しました。もしご自身の会社が募集を決定したら、あなたは応募しますか?ますます身近になってきた希望退職制度。突然訪れるその時に備えるため、応募前に確認すべきポイントや注意点をおさらいしておきましょう。

2020年は特に、多くの企業が早期希望退職制度(ERP)の利用を開始したというニュースをよく耳にします。少子高齢化による中高年の人件費負担増やポスト不足、IT化に伴う人員整理の必要性など、従来からある要因の他コロナ禍による業績悪化も加わりました。8月には、国内最大手製薬企業の武田薬品が30歳以上の対象者に募集を開始したように、45歳以上が中心だった対象者も近年若年化の傾向にあります。今後は、どんなビジネスマンでも「もしも」に備える心構えが必要となってくるでしょう。

 

早期希望退職者募集の流れは?

早期希望退職者を募集するという提示は、通常社内メールや説明会などで社員全員に行なわれます。但し、企業は募集人数や対象者の基準については予め決定の上募集しますので、ご自身が対象者の場合には公募の前後で上司と面談が行われ、そこで条件等を提示されるのが一般的です。

・募集人数

・募集対象者(募集部署・職種、年齢など)

・退職の条件(割増退職金、未消化有給休暇の取り扱いなど)

・募集期間

・退職日

などが提示され、2週間~1か月程度で募集が締め切られるのが一般的です。募集期間内に応募者数が予定よりも満たない場合、二次、三次募集がある可能性がありますが、割増退職金の減額など条件が悪くなっていくこともあります。

では、ご自身が対象者で応募を考えたい場合、確認しておかなければならない5つのポイントとは何でしょうか?

 

ポイント①退職後の家計収支を計算する

希望退職制度の対象者は40代、50代であることが多く、子供の教育費や親の介護費など特に支出の多い世代です。すぐに再就職できる保証はなく(通常の転職活動でも平均3~6か月)、退職後の生活費が確保できるのかよく収支を計算しておくことが必要です。収入見込みとしては、割増退職金を含めた退職金の他、希望退職制度では「会社都合」での退職となるため、失業給付金が早く(最短7日後)、長く(最大330日)支給されます。一方、退職後は予想以上に支出が多くなる可能性が高く、次に挙げる社会保険料の支出や福利厚生も計算に入れなければなりません。ご自身の家庭の場合はどうなるのか、収支をじっくりとシミュレーションしてみてください。

 

ポイント②社会保険料を確認する

今まで会社が負担していた社会保険(健康保険、厚生年金保険、雇用保険、介護保険など)についても確認が必要です。

健康保険について言えば、配偶者などの扶養に入らず退職後も前の会社の保険に「任意継続」する場合や、「国民健康保険」に切り替える場合でも、会社負担がないため個人の負担額は大きくなります。介護保険も全額自己負担になります。また、国民健康保険には扶養の概念がないため、家族全員分の加入が必要となるなどかなりの負担増です。但し会社都合による退職の場合、国民健康保険税が最長2年間軽減されることがありますので、各自治体に確認すると良いでしょう。

また厚生年金についても同じで、一旦国民年金に加入することになれば全額自己負担になる上、扶養していた家族分の加入が必要です。すぐに再就職しない場合には、老齢厚生年金の給付額も減少します。また、企業型確定拠出年金に加入している人は、運用をどうするか決定していく必要があるなど、退職前に考慮することが多くありまのでひとつひとつ確認していきましょう。

 

ポイント➂法定外福利厚生を確認する

法定外福利厚生とは、企業が任意で社員に提供している福利厚生のことです。代表的なものとしては、住居に関するもの(社宅の提供、住宅手当や家賃補助、持ち家補助など)や健康診断の実施、自己啓発プログラムへの補助、食事補助、持ち株会など資産形成の補助などがあります。その企業の従業員であることで、様々な福利厚生や待遇を喪失することを確認しましょう。特に住宅に関するものは生活に直結しますので熟考が必要です。

また、従業員持ち株制度で自社株を取得している場合、持ち株会は退会することになります。上場株式であれば退職後個人口座で保有もしくは売却するこができますが、非上場株式の場合、持株会に売渡することが規約に定められていることが一般的ですので確認が必要となります。

 

ポイント④退職日と未消化有給休暇を確認する

退職日に関しては、募集の際に会社から提示がある場合がほとんどですが、一律の退職日であったり、いくつかの日付から選択できる場合があったりと企業によりまちまちです。ただ、一律の場合転職活動の際注意が必要です。出来るだけ早く転職活動をスタートさせ、なるべく間を置かずに再就職するのが理想的ですが、仮に次の就職先がすぐに決まっても退職日前に再就職ができないため、始業日について交渉が必要です。また、未消化の年次有給休暇を買い取ってくれる企業もありますが、そうでない場合退職日前に消化できるのか、場合によっては有給消化ができないまま再就職になる恐れもありますので確認しましょう。

 

ポイント⑤日頃から自分の市場価値を見極めておく

早期希望退職者の募集は2週間~1ヵ月程度が一般的で、どうするのかゆっくりと熟考する時間はありません。そのため普段から転職エージェントを利用して情報収集をしておいたり、家族と話し合ったりすることがとても大切です。企業が再就職支援として転職斡旋会社を紹介することもありますが、同じ会社の社員が一斉に利用を開始することを考えれば、普段からエージェントを利用しているほうがずっと効率的です。

同時に、転職エージェントなどを通してご自身の市場価値を普段から確認しておいてください。社内評価と市場評価は必ずしも一致しません。ご自身の市場価値が高いとアドバイスされ、かつ理想のキャリアの実現のために転職がベストと考えるのであれば、ぜひ応募しましょう。一つの会社にこだわり続けるよりも、様々な経験やスキルを磨いていくほうが人材における現代のニーズに適しています。

仮に在籍する選択をしても、組織再編に伴う異動や降格、さらにはモチベーションの低下などの恐れもあり、組織内でのキャリアパスに限界がくる可能性があります。そして再度希望退職者の募集があっても、前回と同程度の条件とは限らないのです。そうならないためにも、転職という選択肢はいつでもあり得ると考え、普段からご自身の市場価値を向上させるためのキャリア形成を意識していくことが大切です。

 

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