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strategies of pharma companies

長期的な国内市場の低迷を見越し、製薬企業各社の事業構造改革が活発になってきました。収益性の低い事業の切り離しとリソースの再配分が急速に進んできているようです。将来的な市場環境の不透明さは、企業に従来の延長戦上で経営を語ることを許しません。事業戦略の練り直しは避けられなくなっているのです。

 

新薬メーカーが長期収載品売却へ

ここ1~2年で最も注目されているのは、新薬創出型の製薬企業による長期収載品や後発品の切り離しでしょう。長期収載品ではアステラスが、消化性潰瘍治療薬「ガスター」など16製品をLTLファーマに201億円で売却しました。

LTLファーマは投資ファンドのユニゾン・キャピタルが設立した事業運営会社で、製薬企業ではないところが注目を集めました。製造を外部委託するとともに、営業は必要に応じて顧客対応できるよう製薬企業と「シェアードMR」契約を締結しました。徹底的にコストを絞って利益を上げるビジネスモデルを構築したのです。

中外も長期収載品13製品を、化学メーカーの太陽ファルマに212億円で譲り渡しました。アステラスと同様、新薬に経営資源を集中させるためです。太陽ファルマの親会社は、スマートフォンやパソコンなどに利用されるプリント配線板用部材を製造販売する太陽ホールディングスで、LTLと同様、外部からの参入となりました。

 


後発品事業の見直しにも着手

長期収載品だけではなく、後発医薬品事業を売却する動きも出始めました。田辺三菱は子会社の田辺製薬販売をニプロに譲り、市場から撤退しました。薬価算定方法が厳しくなり競争も激しいため、将来的に収益確保が難しくなったためです。同社以外にも、積極的な投資を控えて、事業のあり方を再検討している企業は多いです。

新薬開発型の製薬企業はこの10年余りの間に、相次いで後発品事業に参入しました。数量シェアの上昇が見込める中で、人材の効率的活用を含めた新たな展開が期待できたからです。しかし、2017年は市場の伸び悩みとともに節目を迎えたといえそうです。オーソライズド・ジェネリックを販売する一部企業を除いて業績は低迷しており、長期品や後発品の事業再編は、この1~2年で活発になっています。

反面、その分野で事業拡大を狙う企業は、先発品企業による切り離しを好機ととらえてきました。ニプロのようなメディカル系をはじめ、アスペンジャパンやサンファーマなど国内で地盤を固めたい外資系、さらには投資ファンドまでもがひしめいています。

 

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