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Global M&A

 

ここがポイント

米製薬大手ファイザーが、事業領域の強化を目的として同業の買収を相次いで発表するなど、2016年もグローバルでの再編の動きは続きました。ファイザーは一方で、2016年4月、アラガン(アイルランド)との合併計画の解消を決定しています。また、米バクスアルタのシャイアーによる買収や、米バイオジェンが事業を分社化するなど、血友病治療領域を含む事業再編の動きは継続しています。

このほか、米ジョンソン・エンド・ジョンソンは、アクテリオン(スイス)を300億ドルで買収することを発表しました。

 

ファイザー・アラガン、合併計画解消を正式発表

米ファイザーとアイルランド・アラガンは2016年4月、両社の合併計画を解消しました。租税地変換(タックスインバージョン)に関連した新たな規制を米国政府が決めたことを受けて決定したものです。ファイザーは合併に関連する費用として、アラガンに1億5,000万ドルを支払いました。

2015年11月に発表された両社の合併はファイザーによる事実上の買収で、総額1,600億ドル規模でした。ファイザーは、本社を法人税率の低いアイルランドに移す目的でアラガンとの合併を計画したとみられ、米政府の新規制はこうした租税地変換による税の回避を制限する意図がありました。

ファイザーは同年5月、米アナコール・ファーマシューティカルズの買収を発表しました。ファイザーは、アナコールの取り組みが炎症や免疫分野に注力している当社の事業に合致するとしており、アナコールが開発中のアトピー性皮膚炎治療薬の上市に強い期待を寄せています。

大型買収としては、抗がん薬開発を手掛ける米メディベーションの買収が挙げられます。ファイザーは、メディベーションの発行済み全普通株式を公開買い付けにより取得し、2016年9月に買収を完了しました。買収金額は140億ドルです。メディベーションは前立腺がん治療剤「イクスタンジ」をアステラスと共同開発しているほか、乳がん治療薬のtalazoparib、血液がん治療薬pidilizumabの開発を進めており、ファイザーは重点領域と位置付けるがん領域のパイプライン拡充で収益拡大を図ります。

 

アイルランドのシャイアー、米バクスアルタの買収完了

アイルランド・シャイアーによる米バクスアルタの買収が2016年6月に完了しました。希少疾患領域やスペシャリティー領域を専門に扱う世界的製薬企業を目指します。今回の合併により、バクスアルタはシャイアーの完全子会社になりました。シャイアーは合併で2020年までに年間売上高が200億ドルを超え、売上高の約65%を希少疾患領域で得られるようになると見通しています。合併後はコスト削減に取り組み、最初の3年間で年間5億ドル以上のコストシナジー効果を出すとしています。

 

米J&Jによるアクテリオン買収など、買収、再編の動きが続く2017年

米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は2017年1月、スイスのアクテリオンを計300億ドルで買収すると発表しました。J&Jはアクテリオン株を1株当たり280ドルで買い取り。買収により少なくとも1%の増収、1.5~2%の増益寄与を長期的に見込んでいます。買収に先立ち、アクテリオンは新薬の研究開発(R&D)部門を分離、独立させました。

また、2017年2月には、米バイオジェンの血友病事業部門を分社化した米バイオベラティブが発足しました。これにともない、日本でもバイオベラティブ・ジャパンが設立され、事業を開始しました。血友病A治療薬「イロクテイト」や血友病B治療薬「オルプロリクス」の販売などを手掛けます。従業員数などは非開示です。国内では3~5年は両製品の製造をバイオジェンが担い、バイオベラティブが販売することになります。


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